導入事例�������620
「道の駅」富士
中部五県の「道の駅」で初めての試み
リモートタップで遠隔地から復旧！

国道１号上り線沿いにある東海道ドライブの拠点、「道の駅『富士』」（http://www.cbr.mlit.go.jp/michinoeki/
michinoeki.html）。毎日多くの利用者があるドライバーのオアシスに、新たなサービスとして無料無線LANが加わった。安心してクルマを停められるスペースで無線接続サービスが利用できることは、利用者側の安心感につながる点が大きい。リモート電源タップを利用した遠隔復旧システムにより、常駐者なしでのサポートを可能としている点にも注目！
ドライブの際の休憩所と言えば、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアを連想される方が多いと思いますが、一般道路にもそれに相当する施設があるのをご存じでしょうか？　それが「道の駅」です。「安全で快適なドライブを支えるためのオアシス」、「訪れる人と地域を結ぶコミュニティステーション」をコンセプトに、平成5年度から整備が始まり、現在ではその数全国に700箇所以上、中部には85箇所を数えるまでになっております。
そして、その中でも当駅「富士」は、駅登録全国第1号として認定され、国道1号沿いにオープンしました。

現在では霊峰富士を一望できる東海道ドライブの拠点として、ドライバーの皆様に便利にご利用いただいております。
▲■▼

道の駅での無線LAN接続サービスは、国土交通省の各地方整備局が現在試験的に導入を進めている事業です。今回「道の駅『富士』」がその導入対象となった理由は、商用車が多く通行する国道１号上り線沿いに位置し、「ビジネスマンなどの利用が多数見込める」ということからです。

また、道の駅自体の機能拡張の狙いもあります。そもそも、道の駅には3つの機能があります。まず第1に道路利用者のための「休憩機能」、第2に道路利用者や地域の方々のための「情報発信機能」、そして第3に道の駅をきっかけとした町と町とが手を結び合う「地域の連携機能」です。

今回、無線LANサービスを導入したのは、この中の「情報発信機能」を拡張させるためです。これまでの道の駅の役割は、文字通り「情報を発信すること」が中心で、一方通行の情報提供でしたが、無線LANサービスにより、利用者との双方向コミュニケーションを取ることができればと思っております。

プロバイダの契約や、機器の設置と設定及び保守は専門業者の静岡インターネットさんにお願いしました。導入した機器は、アクセスポイント（WLAR-L11G-L-FS）1台、ルータ壁取付キット（WLE-WK）1個、無指向性アンテナ（WLE-NDR）1台です。工事は3名で行い、約3時間で終了しました。

　アンテナを利用した理由は2つあります。防犯が1つ、電波状況の一層の向上が1つです。まず防犯に関しては、施設自体が24時間利用可能ということで、アクセスポイント自体の盗難防止の観点から、見えないところに設置する必要があったということです。また、電波状況の一層の向上に関しては、アクセスポイントを天井裏に設置したことである程度電波の障壁となります。現在のアクセスポイント設置場所でしたら、アンテナを利用しなくてもそこそこ電波も届くとは思いましたが、念のためという意味合いです。結果論ですが、アンテナを天井にスマートに設置できましたので、むしろ「無線スポットサービス開始」の広告塔にもなっていたようです。


回線はNTTのADSL1.5Mbpsサービスですが、導入前に調べたところ、NTT収容局から4km近い距離があったため、開通そのものができない可能性がありました。しかし、事前試験の結果、なんとか大丈夫だということがわかり、「200〜400Kbps」の速度でサービスをスタートさせることができました。後にNTT側の回線網整備や、ルータの処理性能のおかげで現在では「1〜1.4Mbps」とほぼ最高速が出ています。

また機器に関しては、停電や機器障害発生時の「障害切り分け」についても配慮しました。道の駅には現地担当職員がいないので、万一のトラブル発生時のために、リモート電源タップを利用し、機器個別に電源のリモートコントロールを可能にしております。このシステムは実際に何度か役に立っております。これも、メルコ製ルータの「電源のOFF/ONで確実に復旧する」機器信頼性のおかげで実現できたものと思います。

▲■▼

セキュリティに関しては、WEPキー、MACアドレス登録の設定を行っておりません。また、ESS-IDは覚えやすく「FREESPOT」に設定してあります。ただし、無線LAN間の通信を禁止する「プライバシーセパレータ」の機能は有効にしてあります。つまり、あまり制約を設けず、ご利用いただこうという考えが基本です。ルーターのログは、syslog機能およびログ表示機能により監視しています。

　利用者への「ご利用上の注意の告知」につきましても配慮しました。公共の場でもありますし、ご利用上のルールを皆様に告知することは必要不可欠でした。

そこで、駅構内の掲示板への掲示物と併せて「接続時に自動的に開かれるホームページ」に利用上の注意を設定することにしました。これは、ルーターの「ポップアップテクノロジー（PT）」の機能をそのまま使っております。おかげさまで大きなトラブルなく運営させていただいております。

サービスは、2002年の7月24日から開始しておりますが、1日に4〜5人、多いときには15〜20人の利用があります。この数が多いのか少ないのかは分かりませんが、携帯電話に比べてまだまだ一般化していないこういったサービスに、ある一定の利用者がいるということは、現時点では成功といえるのではないでしょうか。

サービスのアナウンスや使用方法の説明も必要最低限としておりますが、「無線LANで接続してみよう」と思う方は、パソコンにある程度詳しい方が多く、特にこちらから積極的にアプローチしなくてもできる方が多いようですので、今のところこれといってトラブルはありません。

静岡インターネットの担当者も、このサービスに関して

　「私自身も週に数回、移動途中でのメール送受信等に利用しています。ドライブの途中で一息入れながら、気軽に自分のパソコンでインターネット利用ができる。これがなによりです。しかも無線スポットなら、ケーブルの持参も不要です。『道の駅』等、公共性の高い、しかも安心してクルマを停められるスペースで無線接続が利用できるということは、利用者側の『あそこにいけば…』という安心感に直接結びつくものであると感じます。」

と評価しております。

社団法人　中部建設協会　静岡支所

http://www.ckknet.jp/

 〒420-0851
静岡市黒金町29番地（ＡＳＴＹ静岡ビル３Ｆ）
TEL:(054)284-0380
FAX:(054)284-0361

　 All rights reserved, Copyright © FREESPOT協議会 2003