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探検レポート[5] 山形鉄道フラワー長井線 (山形・長井市)

これまで実験ベースで走行中の列車内での無線LANスポットは幾つかありましたが、日本初の営業ベースでの列車内無線スポットが開始されたという噂を聞きつけて、少年時代「鉄ちゃん」であった私はいてもたってもいられず、はるばる山形まで行ってきました。山形鉄道は山形新幹線赤湯駅(山形県南陽市)と荒砥駅(山形県白鷹町)を結んでいる、総延長30.5kmの第三セクターで運営されているローカル線です。
東京駅から山形新幹線「つばさ」に乗って、約2時間半で赤湯駅に到着します。 そこから山形鉄道が接続しています。昼間は1両、朝夕の乗客が多い時は2両編成で列車が運行されています。
列車内にはFREESPOTのステッカーが表示されています。
乗降口の上に沿線のスポンサー企業と「Netトレ」のステッカーが表示されています。
列車内の風景です。
運転席の右上の黒い箱の中にアクセスポイントが設置されています。
お話を伺った山形鉄道の押切さんです。地元の高校生が後ろに見えますね。
山形鉄道の本社がある長井市のメインストリートです。
今回の列車FREESPOT導入を推進した、長井村塾の横山さん(左)とホテル和泉屋の後藤さん(右)です。
 
隊員ナンバー3号:仮面らいだーぱぱ
特徴 : 休日は子供と一緒に仮面ライダーごっこをして、日頃のストレスを発散している、子供ちっくな一児のお父さん

 当日乗った列車は2両編成で、双方にFREESPOTが設置されていました。車内は一部ロングシート(大都市の通勤電車でおなじみの席配列)ですが、殆どはクロスシート(ローカル線の標準的な席配列)です。席自体はピンク色で、別名「フラワー長井線」の雰囲気を醸し出しています。ロングシートの窓に控えめですがFREESPOTのステッカーが表示されており、無線アクセスポイントは運転席上部の箱(沿線の工業高校の制作だそうです)に設置されています。

 今回の列車内FREESPOTは、山形鉄道の本社のある長井市の街づくり民間組織「長井村塾」(市内にFREESPOTを積極的に導入されています)をはじめとする有志の働きかけで、沿線の企業がスポンサーとなって、運営されています。スポンサー企業のステッカーが列車の入り口に表示されています。山形鉄道では「Netトレイン」と愛称をつけています。

 早速列車に乗り込んだ私はPCを立ち上げて、無線でネット接続をしてみました。「Netトレイン」の存在自体は未だ地元でもあまり知られていないらしく、途中から通学の高校生がいっぱい乗り込んできましたが、みんな携帯でメールをしたりして、PCを広げている私を「何しているんだこのオヤジ」的な、好意的な眼差しを送ってくれました。それにもめげずネットに接続すると、列車から地上局まではPHSで接続しているためか、ブロードバンドを使った「さくさく」感はありませんでしたが、それでも動いている列車の中でインターネットに接続出来る感激は代えがたいものでした。メールも接続してみましたが、問題なく日頃使っているプロバイダー(ODN)で接続でき、思わず友達に「今列車の中でネットしているよ」というメールを打ってしまいました。因みにスピードは下りで63kbpsでした。(タダでネットに接続出来るんだから文句は言いません!!)

 山形鉄道では、沿線の企業に新幹線で出張するビジネスマンに鉄道をもっと利用してもらうきっかけに、また観光客に観光情報を提供する場として、FREESPOTのポップアップ画面で沿線情報を提供しています。ゆくゆくは地元の利用者にも使ってもらいたいとのことです。特に沿線の中心都市である長井市では、列車から降りても町中で無線インターネットが出来る環境を目指し、地元の有志が積極的にFREESPOTを導入しています。FREESPOTで町おこしという、新しいFREESPOTの活用が展開されそうです。

 ということで、いかにも日本の「田舎」といった列車からの景色を眺めながら、ハイテクなFREESPOTとの組み合わせは、一見ミスマッチなようですが、無線LANの新たな活用方法を提案してくれるモデルとなってくれるでしょう。皆さんも一見の価値ありです。